イギリスの旅客車は日本の旅客車に慣れた目から見たら、随分サービス度が低く感じられる。それは、
  座席が固定(リクライニングなし、クロスシートが方向固定で回転や転換しない)
  どんなに混雑路線でも2扉車しかない(当然乗降に時間がかかって遅れの原因になる)
  座席と窓とが全くずれている(窓際に座ったのに、ほとんど窓から外が見えないなんてことも)
などなど。しかし、余りこれを改善しようという様子も見られない。
National Rail Timetable。£12と、結構高いが、その分本自体も分厚い(右上の写真は、電話帳と比べたもの。電話帳よりも分厚いというのがよく分かる、つもりで写真を撮ったのだが)。写真左上は、2006年12月10日から2007年5月19日までの号。表紙は有名なI.K.ブルネルにより設計されたロイヤルアルバート橋。左下は最終号。右下が貨物列車の時刻表「FREIGHTMASTER」。
British Railways Pocket Book(上)。これがないと、この車両は何?というのが訳わからなくなる。車両ファンにとってはありがたい1冊。毎年発行。
形式番号 詳細 車両番号
300-399 交流25000V「多用途」電車 61000-78999
400-599 直流750V第三軌条式電車
900-949 業務用車両
電車Electric Multiple Unit、略してEMUと呼ばれている
気動車Diesel Multiple Unit、略してDMUと呼ばれている
形式番号 詳細 車両番号
100-139 第一世代、、いわゆる「ヘリテージ」車両 50000-59999
140-199 第二世代 70000-79999
200-249 電気式ディーゼル車両 60000-69999
930-999 業務用車両 977000-977999
形式番号 詳細
70-80 直流機、直流/ディーゼル機
81- 交流機、交直流機
客車
 イギリス国鉄が製造した客車は、以下のように分類されている。
 1951〜1963 年製造 MarkI
 1964〜1975 年製造 MarkII
 1976〜1988 年製造 MarkIII
 1989〜1991 年製造 MarkIV



車両番号(車両一両一両の番号)は、上の表からもわかるように、形式とは無関係に付けられているようである。
さらに、形式とは関係なく、機関車や電車・気動車の編成に対して固有の愛称が付いているものもある。例えば、機関車60型の68号機(60068)は「チャールズ・ダーウィン」、気動車221系第9編成(221 109)は、「マルコ・ポーロ」と言った具合。
形式番号 機関馬力
01-14 0-799
15-20 800-1000
21-31 1001-1499
32-39 1500-1999
40-54, 57 2000-2999
55-56, 58-69 3000+

雑誌 
多種多様な雑誌が発売されている。鉄道一般、蒸機専門、模型専門、などにも細分化されているが、印刷・装丁は日本の方が上。たいてい定価は£3〜4といったところ。


Brithsh Railways Pocket Book

 鉄道車両配置表。機関車編、客車編、気動車編、電車ライトレール編、の4冊に分かれている。全形式が網羅されていて非常に便利。一冊£3.95は一見安いようにも感じられるが、1冊だけ購入しても仕方がないので、結局は4冊とも買わないといけない。


National Rail Timetable
        
時刻表は2007年夏号をもって廃刊。
        
 詳しくはこちら
 時刻表。イギリスで時刻表が売っているのはなかなか見かけない。インターネット上の情報でも、「イギリスでは全く見かけなかったイギリスの鉄道時刻表が日本の本屋では売っていた」とかいうようなことが載っていたりするが、National Railのサイトを見たら「大きな駅のWH Smith(書店チェーン)に売っている」、と書かれていたのでCharing Cross駅に行ってみたら、果たしてWH Smithに置かれていた。


FREIGHTMASTER

 貨物時刻表ってないのかな、と探してみたらやはりイギリスにも存在した。ただし、表示形式が、列車単位ではなくて各地点での列車の通過時刻になっている。まあ、ファンにとってはそれでよいのだが。
 Freightmaster Publishing出版、160ページ、£12.95。
鉄道関連の本
鉄道車両の形式称号
 1972年に導入されたTOPSナンバリングシステムに従って、以下のように付けられている。
機関車
   ディーゼル機関車(左)と、電気機関車(右)の形式番号
ご存じのように、イギリスは鉄道発祥の地。当初はロンドンと各地を結ぶ鉄道(民営)が栄えた。各々の鉄道会社がそれぞれロンドンに駅を造ったので、「ロンドン」と名の付く駅は多く存在する。第二次大戦後、鉄道は国有化された。1994年、上下分離方式で民営化。旅客鉄道会社は、線路を持たず、車両も車両所有会社からのリース。そして営業権(フランチャイズ)は期限付きで成績が悪ければフランチャイズを剥奪される。日本人によるインターネットサイトでは、大半が日本の国鉄民営化と比較してイギリス国鉄の民営化は「失敗」としている。
イギリスの鉄道について