新しいセントパンクラス駅、ガラス越しにユーロスターがよく見えるようになり、天井のドームもガラス部分が大きくて採光性がよく明るい雰囲気だ。ロンドン在住の人というよりむしろイングランド中部の人達が今回のセントパンクラス開業で最も恩恵を受けるようだ。
プラットホーム階(2階)は世界最長のカウンターを持つバーが営業を開始しているが、コンコース階(1階)はテナントがまだほとんど営業していない。11月14日の時点では、スーパーマーケットのMarks & Spencerのみだった。
気動車222系(手前)と並ぶユーロスター。
ちなみに、ユーロスター開業直前の11月11日から、ミッドランド方面の列車はフランチャイズが替わり、Midland MainlineからEAST MIDLANDS TRAINSに運行会社が変わったのだが、車両は旧塗色のまま。
(左)構内の隅の方ではモーツァルトの曲などを演奏していた。
(中)パンフレットを配る人たち
(右)先程の旗は、最後は運転手が手に持ち、窓から顔を出して振っていた。
この日は早朝便は運行されず、午前11時07分にブリュッセル発の列車が最初の到着列車となり10番線に入線。3分後に11時10分着のパリ発が8番線に定時到着。到着直後にはイギリス、フランスの両国旗が取り付けられた。
ちなみに、この銅像の男女、ヨーロッパの駅ではあるが、「猥褻だ」という理由でキスはしていない。
上方には大時計が掲げられ、ターミナル駅としての威厳を示しているかのよう。その下には、巨大な銅像(抱き合う男女)が建てられ、「鉄道旅行にロマンスを」ということなのだろう。
開業初日、セントパンクラスに並ぶユーロスター。
(左)ウォータールー駅構内の電光掲示による告知。
(右)改札口の上にも「GOODBYE WATERLOO」の文字が。
改札上には大きな幕が張られて、メッセージが掲示された。
「13年間
旅行者数8189万1738人
1つの大きな感謝を捧げます
2007年11月13日ウォータールーの友人達よ、さようなら
2007年11月14日セントパンクラスよこんにちは」
とでも訳しておけばよいか。
最終日のウォータールー。舞台では催し物が行われた(人気アイドル歌手のLily Allenも登場したとのこと)
ロンドン−パリ・ブリュッセルを結ぶユーロスター、1994年11月14日に開業したが、それ以来使用していたウォータールー(Waterloo)から、今回セントパンクラス(St Pancras)にロンドンのターミナルが変更された。

これは、当初の開業時にはイギリス側で高速新線の建設が行われずにウォータールー駅の整備とほんの数十メートルの渡り線の建設だけでごまかしていた(電化方式も在来線と同じ第三軌条直流750V)のを、イギリス側でもスピードアップを図るために建設した時速300km/hの高速新線(High Speed 1)の開業によるもの。
ロンドンから高速新線にしようとした場合、なかなか用地がないということでロンドン付近は地下、しかも北東部のオリンピック用地にでもしようかというくらいの再開発用地の下を通ることになったようだ(こちらも参照)。

セントパンクラス駅そのものも、大改装が行われ、もともと乗り入れていた在来線(Derby、Sheffieldなどイングランド中央部Midland方面)ホームが2面4線存置されて、その東側に5番線から10番線までのユーロスターホームが出来上がった。
ユーロスター セントパンクラス駅開業